マイケル・クライトン『ジュラシック・パーク(下)』

 これを読み終わってから『サピエンス全史』を読み始めて、なんか腑に落ちる。人間の生きている時間を地球の時間を人間の一生に例えれば、まばたきのような時間であり、目の前の些細な悩み事もそういう思考でクリアできるかもしれない。目の前にはとにかく暇な時間が転がっていて、それをどうにかして価値のありそうな時間に仕立て上げていく。それが人間たるものだし、それを考えなかったら他の動物と同じになってしまう。まあ、実際は同じなのだろうけど。

 やはり、世界を大きく捉えるSFは読んでいて救われる。なんだかんだ、本や知識というのは救われる為に読んでいるんだと思う。どういう方向で救われるかは、読み終わってみないと分からないが、読みながら全然関係ないことを考えてしまったりしつつ、それでも自分の考えがまとまる方向にいっている感触があるときもある。それはこの文章を書いている時もそうだ。生きることは散歩だと定義して、生きてみる。思考も身体もとにかく歩いて、彷徨ってみる。

ジュラシック・パーク〈下〉 (ハヤカワ文庫NV)

ジュラシック・パーク〈下〉 (ハヤカワ文庫NV)